手術による治療
三叉神経痛の治療において、手術も行われます。手術療法についてですが、どういう場合に手術をすることになるのかと言えば、ズバリ、飲み薬を飲んでも痛みが軽減されない場合です。更に、MRI検査で脳腫瘍が発見された場合も手術を検討することになります。
手術においては、痛みが発生している側の耳のうしろの方の皮膚を切開します。髪の毛の生え際に沿うように5~10cmの切開です。そして、皮膚と頭蓋骨の間にある筋肉を剥離してから頭蓋骨に穴をあけます。この頭蓋骨の穴、筋肉、皮膚は、手術終了の際に元に戻し、ふさぎます。
手術の方は、脳を包む膜(硬膜)を切開して、頭蓋骨の間から奥に入って、脳幹部から三叉神経が出ている部分に到達します。ポイントはこの場所で神経を圧迫している血管を発見することです。神経に強く接触しないよう移動することで減圧します。硬膜は元の通りに縫合、頭蓋骨、筋肉、皮膚も塞いで手術終了となります。します。脳腫瘍がある人の場合では、当然ですが腫瘍を摘出することで、腫瘍の神経への圧迫を解決します。
手術をすると、直後から痛みがとれることが多いのですが、稀に、痛みが楽になるまで1~2週間かかる場合もあります。通常なら、手術の翌日には食事ができるようになり、2~3日以内には身の回りのことも自分でできるようになります。退院は1週間~10日後となります。手術の成功率は、国内で熟練した術者の場合なら、90%以上とされています。