三叉神経痛の症状
三叉神経痛は、季節によって痛みの度合いが変動するという特徴もあります。特に11月や2月になぜか痛みがひどくなる人が多いと報告されているようです。
「三叉神経」とはその名の通りに三つの枝がある神経です。最初の枝はおでこ、2番目の枝は頬、3番目の枝は下あごにつながっています。この枝の範囲に痛みが発生するのです。ただし、痛みの出方はいろいろで、1本の枝にだけが痛む場合と、2本以上に痛みが出ることもあります。この組み合わせということで、1番目と2番目(おでこと頬)、2番目と3番目(頬と下あご)という分布で痛むことなどがあります。例外として、1番目と3番目、つまりスキップして痛むことはありません。
三叉神経痛と間違いやすい疾患もあります。その代表に「帯状疱疹後三叉神経痛」という疾患があります。帯状疱疹とはウイルスが原因の皮膚の病気です。水ぼうそうのウイルスの仲間で、皮膚に水ぼうそうのような小さな水ぶくれができ、かさぶたになります。帯状疱疹のウイルスは神経に潜んで、神経に沿って症状がでます。ちょうど三叉神経の分布と一致した皮膚の症状なのです。後から特発性三叉神経痛と同じような痛みが出る場合もあります。このように痛みの性質だけで区別がつかないことがあるのです。
他にも顔の痛みとして、「副鼻腔炎」とい耳鼻科の鼻づまりが原因で起こる、「蓄膿」のような疾患もあります。これは特殊な脳梗塞や、歯を複数抜いた後などに起こりますが、痛みの性質が厳密には三叉神経痛とは異なっています。